わたしにとって乾燥肌は、もはや「困る」なんていう言葉では到底言い足りない。
乾燥肌がここまでの危機的状況を作り出すとは考えてもいなかった。
ふと感じた痒さに耐えかねず足や腕を掻いていると、そこには滲んでいる血が。
皮膚は容易く裂けて白い粉のような皮の残骸が…衣服で隠して誤魔化して、もう若くないのだから仕方ないかと放置する。
こんなことを繰り返しているとどうなるか。そこかしこで肌がボロボロになり、掻きむしった跡は痛々しく、痒みは日に日に増すばかり。
もう掻くのをやめたい、と思っても痒みは容赦なく襲ってくる。
化粧水くらいは使っているが、乾燥肌は一向に治る気配もない。皮膚が裂けて血の滲んでいる箇所に化粧水をあてると激痛が走る。
遅すぎるくらいだが、このまま乾燥肌を放置しておくわけにはいかない。
肌の手入れなんて男らしくない…若い頃はそう考えていた。
しかしながら、手入れをしていない肌は年齢とともに衰えていくもの。このまま放置していては10年後どのような肌になっているのか?恐怖でしかない。
ひどいのは特に冬場。保湿が十分でない乾燥した肌は、バリアを失ってひときわ深刻なダメージを抱え、痒み痛みを訴えてくる。
かきむしって赤くなったり、傷が出来て血の出た肌は見た目にも痛々しい。
私の一番の後悔は、この状態になってなお、乾燥肌を放置してきてしまったこと。
男らしくないとかいうぺらっぺらなプライドでスキンケアをおざなりにしてきてしまった。
そもそも一体誰が自分に男らしさを期待していたというのか?
世のほとんどの他人は、私がスキンケアをしているかどうかなんて微塵にも気に留めないだろう。というより気付かれることもないだろう。
しかし、乾燥肌ってどうやって治すのか?そもそも治るものなのか?こんなことすら知らない。
知っているのは、乾燥肌には保湿ケア!というよく聞く曖昧な言葉だけ。
薬局に行けば、やれ化粧水だの、やれ乳液だの、保湿クリーム、美容液、、、一体どれをどのように使えば良いのかさっぱりわからない。
で、適当と思われるものを買って試してみるものの、大した効果も得られない。
……
ここまでが、私の乾燥肌対策の初期状態であり、過去の実態である。
それから数年。トライ&エラーを繰り返しながらも、乾燥肌ととことん向き合ってきた。
本記事では私の乾燥肌に関する対策方法とその結果を全て記録した。どうか最後まで読んでみて欲しい。
乾燥肌は水分不足ではなく水分含有能力不足
そもそも乾燥肌=ドライスキンに対して誤解している人も多いので説明しておく。
これを知らずして乾燥対策はあり得ない。
乾燥した肌は、皮脂、角質細胞間脂質などの減少により角質の水分含有量が極端に低下している状態。
乾燥肌ときくと水分不足と思われがち
だが、それだと少しニュアンスが異なる。
乾燥肌の本質的な原因は保湿成分不足
といった方がより正確だろう。
乾燥肌=保湿成分が減少した肌の状態
乾燥肌は水分が不足している肌であるのは間違いないが、その元の原因として本質的には保湿成分が減少していることが挙げられる。
具体的には角質層内部に存在すべき細胞間脂質(セラミド)と天然保湿因子(NMF)が不足している状態といえる。
乾燥肌によって肌の水分量が失われるのはあくまで二次的な結果にすぎない。
上の図の通り、正常な肌の角質層内ではこれらの保湿成分がガッチリと水滴を抱きかかえているため水分が逃げにくい。つまりは、これらの保湿成分が不足減少しているからこそ乾燥肌が進行するということだ。
洗濯物が乾くのはなぜか?それは水分が蒸発するからに他ならない。
ご存知の通り、彼ら(洗濯物)はセラミドもNMFももっていない。ゆえに乾くわけだ。人の肌も保湿成分を完全に失えば、またたく間に干からびてしまうだろう。
潤いがなくなった肌は、柔軟性がなく非常にもろくなっている。
その結果、皮膚が細かくポロポロとめくれて白い粉が噴く…これは経験した方も多いのではないだろうか。
乾燥肌の原因
そもそも、いつから・どうして、乾燥肌になるのか?
つまりセラミドやNMFが減少することになってしまったきっかけと原因は何か。
実は、乾燥肌の原因はほとんどが間違ったスキンケアによるものなのだ。
「乾燥肌は体質のせい…」と諦めがちだが、生まれつき乾燥肌の人は全体の1割ほどもいない。
乾燥肌に悩む男性が、そこに至るまでの経緯には次のようなお決まりパターンがある。
①間違った洗顔 & 過剰な洗顔
↓
②基礎化粧品の使い過ぎ
↓
③諦め・問題を放棄する
順番に見ていこう。
①間違った洗顔 & 過剰な洗顔
まず当たり前のことだが、洗顔の目的は「顔に付いた汚れを落とすこと」である。
しかしながら、薬局などで売られている洗顔料を見ると次のようなキャッチコピーを前面に押し出した商品が目立つ。
・ディープモイスト成分配合で洗いあがりもっちり!
・スーっとする爽快感!
・油分配合!使用後の肌に潤いが残る!
しかも、あろうことかそれらが肌にとって良いことであるかのようにふれ回っているのである。
消費者の目を引くためには、「洗顔」以外の付加価値を付けるのが手っ取り早いのだろう。
メーカー側の意図は理解できるが、それが本当に付加価値になっているのかは疑問だらけである。
例えば「油分配合により潤いが残る」というけれど、言い換えればこれは「洗顔料でも落とせない油分が肌に残る」ということだ。これはとてつもない脅威である。
油は空気に触れた状態で時間が経てば必ず酸化する。酸化した油は体にとって有害であり、肌を傷付ける原因になるし、炎症が進みニキビの原因にもなるし、乾燥を助長する。
そもそも油分が肌に与える役割・効能は極めて少ない。
「乾燥肌には洗顔→化粧水→乳液」
というのが乾燥肌の常識であるかのように知れ渡っているが、実はいずれも必須ではないというのが真実である。
乾燥肌に本当に必要なのは保湿成分。これだけでいい。
保湿成分を肌に効率的に与えることこそが、真の乾燥肌対策といえる。
また、洗顔料に含まれる洗浄成分は角質層内部の保湿成分を直接溶かし出す、ことも覚えておいて欲しい。
洗顔の過程で、多かれ少なかれ肌表面の保湿成分が流出してしまうのは避けられないということである。
ちなみに私は基本的に洗顔料を使わない。
皮脂や汗は基本的に水溶性であり、これらの汚れを落とすのに特別な洗顔料は必要ないためである。
→万年乾燥肌の私が洗顔料をやめた理由と本当のメンズスキンケア
-
-
万年乾燥肌の私が洗顔料をやめた理由と本当のメンズスキンケア
ほとんどの男性が自身の肌管理に対して無頓着。もしくは間違った管理で最適な方法を取っていない。 「スキンケア=化粧水・乳液」という、それこそ呪いにでもかけられたような固定概念に縛られている男性はあまりに ...
②基礎化粧品の使い過ぎ
乾燥肌対策の根幹は保湿成分の補給であることを説明した。
では保湿成分の補給にはどうしたらいいか?→基礎化粧品を用いて補ってやればいい。
ここまでは真実。なにも間違っていない。
しかし勘違いしがちなのは、質の良い化粧品でないとまるで意味がないということである。
例えば、油分の補給。
確かに、油には蒸発する水の行方を妨げる効果がある。そして肌の上でこれが実現されれば、本来空気中に蒸発して逃げていくはずだった水分が閉じ込められるため、時間が経つに従って肌の水分量は上昇する。これをエモリエント効果という。
ただし、メリットのうらにあるデメリットにも目を向けねばならない。
油分で肌をコーティングする最大のデメリットは、皮膚の正常な代謝までもが阻害されることだ。
代謝が阻害されれば、古くなった角質が滞留する。健やかな代謝が損なわれれば、人体は保湿力の低い肌しか作れなくなる。まさに負のスパイラル。
にも関わらず、実感力だけは抜群なのが油分で潤いを保つという行為の怖いところである。塗った瞬間に乾燥から解き放たれたような気分になる。もはや違法ドラッグと言っても過言ではない。
つまり、基礎化粧品を実感力だけでやみくもに使っても、根本的な乾燥肌対策にはならないということだ。
化粧水だって、あれは成分の90%がただの水。
乾燥肌対策でなにをしていますか?と聞くと
「化粧水をたっぷりつけています!」
という答えが返ってくることがあるが、所詮、「水」ですから。
放っておけばすぐにでも蒸発して、なかったことになる。
なんでもそうだが、「たっぷり塗って」とか「ばしゃばしゃ使って」とか、いかにも頭の悪そうなワードを消費者に訴えてくる広告にはろくな商品がない。本当にろくでもない。
保湿の本質は、肌自身の保湿力を高めてやることであり、肌の回復力を高めるサポート役であることを忘れてはならない。
③諦め・問題を放棄する
ここまでに説明した①~②の流れをまとめよう。
間違った洗顔によって角質層内部の保湿成分が失われる
↓
乾燥が進む
↓
乾燥に対抗して間違った方法で基礎化粧品を乱用する
↓
肌の正常な代謝が損なわれ、肌自身の保湿力が失われる
↓
乾燥が進む
↓
いまここ
さて、この段階で世の中の乾燥肌に悩む男性はどうするか?
ほとんどの人が次の行動をとる。
「治らないけどとりあえずいまのままのスキンケアを継続する」
そう。乾燥肌の悩みに対して本気で対策を考え、実際に行動に移す男性はほとんどいない。
結果、乾燥肌は改善しない。
それどころか年々症状は重くなる。肌自身の回復力が徐々に失われるからだ。さらに加齢もこれを手伝うから、たちが悪い。
乾燥肌の症状を放置するとろくなことが起きない。
皮膚のバリア機構が失われ、本来守れていたはずの外的刺激から防御できなくなる。
その結果、様々な皮膚炎に感染したり、極度の痒みに悩まされることにもなる。
実は成人男性のニキビは、乾燥が原因で引き起こされるケースが非常に多い。
ニキビと聞くと皮脂が多い人を想像するが、もうひとつ重要なファクターとして毛穴のつまりがある。
ニキビは必ず毛穴にできるのだが、乾燥肌が進行すると角質層の異常から角質が毛穴で硬化・停滞する。正常に代謝されなかった角質が原因で結果的に毛穴が塞がれるため、少ない皮脂分泌であってもニキビになってしまうのだ。
ともかく、
本気で乾燥肌を改善したいなら、これまでのスキンケア方法を根本的に見直す必要がある。
そしてその方法はある考え方を徹底するだけで、ほとんどの場合解決する。
乾燥肌を改善するために必要なこと
ここまで読んだ方であれば、もはや答えを言うまでもないと思うが、乾燥肌を改善するために必要な考え方はたった1つ。
肌自身の保湿力を高めてやること
である。
さしあたって具体的な行動は、次の3つのことをまずは実践してみて欲しい。
①洗顔料を使わない
②化粧水も乳液も使わない
③保湿成分が多く含まれた化粧品を使う
これまでなにかの宗教のように乾燥肌対策の原則「洗顔→化粧水→乳液」を妄信してきた方にとってみれば、意外な方法と思われるかもしれない。
もちろん、乾燥肌の症状は人それぞれであるし、全ての人にとって最適な方法であると断言するつもりはない。
しかし、この方法こそが私自身がトライ&エラーによってたどり着いた乾燥肌対策の終着点である。
それぞれ簡単に補足しておく。
①洗顔料は使わない。洗顔に保湿を期待しない
誤解のないように先に言っておくが、「毎日やっている日常のケアには」洗顔料は必要ないということである。
私自身、洗顔料を全く使わないわけではない。タイミングとしては、水だけじゃ落ちない汚れが着いた時。例えば日焼け止めクリームを塗った時など。あとは月に2~3度のお手入れ感覚で、おまじない程度にやっている。
しかしながら、仕事柄顔に油汚れなどが付きやすい方、工事現場で砂埃や排気ガスによく触れることのある方などは、洗顔料を使うべきだろう。そのような環境で生活していない方であれば、洗顔料は基本的に不要である。
皮脂汚れを放置していいと言っているのではない。皮脂や汗などの汚れはどれも水溶性であるため、実は水で簡単に落とせてしまうのだ。
「毛穴の奥まで洗浄!」とかいって洗浄力に特化した商品がよく売られているが、まるで不要。顔の汚れは大概の洗浄料で落ちるわけであり、洗浄力に特化する必要はどこにもない。かえって角質層を痛めることにもなるため、洗浄力で洗顔料を選ぶのは間違っている。
あとは冒頭でも言ったが、洗いあがりのもっちり感!とかうたっている洗顔料は信用してはいけない。
基本的に保湿と洗顔を同時に成立させることが矛盾しているし、そもそも一緒にするメリットも理由もない。
ちなみに私の普段の洗顔方法は
「ぬるま湯で、ごしごしこすらず、押し当てる程度」
にしかやってない。
それで汚れは十分落ちるし、このやり方でニキビなどの肌トラブルが増えたこともない。
②化粧水も乳液も使わない
理由はさっき説明した通り。
化粧水の成分は90%が水であるし、どうせすぐに揮発してしまうから使っても使わなくてもいい。
乳液の目的は「油分の補給」だが、保湿力のないカラカラ肌の上に塗ってもあまり効果がない。保湿力をきちんと与えた上で油分を補助的に足してやるのであれば意味があるが、そもそも油分が保湿に作用する程度は非常に少ないのだ。
化粧水はまだしも、ろくに成分も確認せずにその場しのぎの実感力で乳液を使うのはやめておいた方がいい。
というか個人的に、乳液はどれもこれもべたつくから好きになれない。水で洗っても落ちないし。
先ほどの「毎日の洗顔に洗顔料を使わない」という考え方とも相対してしまうため、わたしはきっぱりと乳液を使うのをやめた。
これまたわたし自身、化粧水・乳液をやめたところで現状なにも問題が起きていない。
③保湿成分が多く含まれている化粧品を使う
保湿を語る上で最も重要なのがココ。
保湿の3大要素というのをご存知だろうか?
保湿の3大要素
①皮脂
②セラミド(角質細胞間脂質)
③天然保湿因子(NMF)
本来、水分は空気と接していると蒸発してカラカラになるのが道理である。
にも関わらず、肌の再表面にある角質層が潤いを保つことができるのは、角質層自身が上記の保湿成分を含んでいるからである。
先ほど、保湿の3大要素と説明したが、保湿力を決定付ける上で重要な要素は特にこのうち1つ。セラミドである。
セラミド>>>超えられない壁>>>天然保湿因子>>皮脂
セラミドは簡単に言うと、角質細胞と角質細胞のすきまをつなぐセメントのようなもの。水分を「はさみこむ」タイプのセラミドは、NMFが「抱え込んだ」水分をがっちりと挟み込んで離さない。
セラミド自身は脂質、つまり油であるため実は水と馴染む性質はない。また、皮脂のように単純に油膜を作って水を閉じ込めているわけでもない。セラミドの最大の特徴は油・水・油・水・油…といったように交互に層をなすミルフィーユのような構造を形成することにある。
これを「ラメラ構造」といい、セラミドが織りなすラメラ構造は非常に強靭なバリア機能をも有する。
美しく健康な肌というのは、例外なくこのラメラ構造が美しく形成されている肌だとされている。
数ある美容成分の中でもセラミドは、保湿力レースではもはや独走状態。それほどに保湿力に優れている。
そんなセラミドだが、難点もある。
<セラミドの難点>
・体内で生成するのが難しい
・サプリメントでの補給は効果が弱い
・値段が高い
・加齢に伴って、どんどん減少する
特に加齢による減少量は激しく、20代から40代にかけておよそ半減する。
乾燥肌に悩む時点でセラミド不足は決定的なのだが、もはや体内で自然にセラミドが生成されることに期待はできない。
またサプリメントによる補給が明確に肌の水分量を増加させたという報告は少なく、食事でのアプローチは非効率と言える。
そのため、セラミドを肌に補ってやるには美容化粧品によってのみ達成可能ということである。
逆に言うと選択肢が少ない分、美容化粧品にさえ気を遣ってやればいいということ。
多くの面倒くさがりの男性にとってはこれは朗報と言えるのではないだろうか。
乾燥肌に悩む男性のためのスキンケアはこれだけ抑えておけばOK
乾燥肌におけるセラミドの重要度はご理解いただけたと思う。
そして、セラミドを補充するには美容化粧品を用いるのが最も効率的であることも。
乾燥肌に悩む男性が取るべきスキンケア方法は、セラミド配合化粧品を用いること。このことに疑いの余地はないが、なんでもかんでも「セラミド配合」と記載している商品を選べばOKということでもない。
重要なのはセラミドの配合量、その他の配合成分、ランニングコスト、これらを総合的に判断して自分に合った商品を選択すること。
それでは、
Q.セラミド配合化粧品を選ぶ上での注意点は?
Q.セラミド配合化粧品はどのようなものがあるか?
Q.セラミド配合化粧品のおススメは?
こういった疑問に順番に答えていこう。
Q.セラミドが配合されているかどうか、どうやって調べる?
Answer
全成分表示で、配合されたセラミドの種類を確認する
化粧品にはその商品に含まれている成分を全て記載する義務があり、パッケージの裏面でも見れば全成分表示として記載されている。まずは全成分表示に「セラミド」の文字がなければ話にならない。
ただしこれは美容品に限ったことではないが、化粧品選びにおいて最も難しいポイントは、各成分の配合「量」まではわからないところ。ほんの少しでも配合されていれば、○○成分配合と記載することができるため、セラミドのような高価な成分は客寄せパンダのごとく広告的に使われがちなのである。たとえその配合量が0.0000001%だとしても問題ない。
こういった「広告セラミド商品」を避けるポイントとしては、
・あまりに値段が安いものは避ける
・複数のセラミドが含まれているものを選ぶ
・商品の口コミをよく確認する
実はセラミドには複数種類が存在する。各成分「量」まではわからないが、配合種類の「数」であれば読み取ることができる。安かろう悪かろう商品には、この「数」が少ない傾向がある。セラミド1、セラミド6Ⅱ、セラミド3、、と言ったように複数種のセラミドが配合された商品であれば信頼度が増すというわけだ。
目安としては
1種類しかない…NG
3種類以上ある…おススメ
と覚えておけば、おおむね問題ないだろう。
Q.セラミド配合美容液はどうやって選べば良い?
Answer
①商品の全成分表示でセラミド以外の保湿成分も確認する
②安すぎる商品を選ばない
③実感力を重要視する
順番に説明しよう。
①商品の全成分表示でセラミド以外の保湿成分も確認する
セラミドの保湿力をサポートする成分が多く含まれていることも重要。
下記の保湿成分表を確認し、参考にしてみて欲しい。
成分名 | 保湿力 | 種類 |
セラミド | ★★★★★ | ラメラ構造を作るタイプ |
レシチン | ★★★★☆ | |
スフィンゴ脂質 | ★★★★☆ | |
s-ヒアルロン酸 | ★★★★☆ | 水分を抱え込むタイプ |
ヒアルロン酸 | ★★★☆☆ | |
コラーゲン | ★★★☆☆ | |
エラスチン | ★★★☆☆ | |
アミノ酸類(NMF) | ★★☆☆☆ | 吸湿性のあるタイプ |
グリセリン | ★★☆☆☆ |
もはや言うまでもないが、保湿力がずば抜けて高いのがセラミドである。化粧品選びにおいては必須の保湿成分と言っていい。
しかしながら、セラミドだけではその保湿力を最大化することはできない。セラミドの役割はラメラ構造を作って「水分をはさみこむこと」であり、言い換えると、水分を逃がさない力が強い。そのため、補助的に「水分を抱え込むタイプ」や「吸湿性のあるタイプ」の保湿成分もバランスよく含まれていることが重要になってくる。
②安すぎる商品を選ばない
化粧品業界は「安かろう、悪かろう」が顕著に出る業界だと言われている。セラミド配合を謳っているにも関わらず、あまりに安すぎる商品であればそれは先ほども申し上げた通り「広告セラミド」である可能性が高い。
目安としては最低でも単価で3000円以上。
このボーダーラインを下回る商品であれば疑ってみたほうが良い。
一方で高すぎる商品が良い商品とも限らない。テレビCMをばんばん流し、好感度の高い芸能人を広告塔に使っていればその広告費が商品価格に乗ってくるのは自然なことである。企業戦略として広告費が商品価格に上乗せされることは理解した上で、わたし達は自分の目と肌で商品を選んでいく必要がある。
③実感力を重要視する
成分表記上優れた成分を複数配合しているからといって、必ずしも良い商品であるとは限らない。
メーカー側に全成分の配合量までを記載する義務がない以上、わたし達消費者は実際に手にとってそれを実感するしかない。そしてこの実際の使用感こそが非常に大切で、メーカーの公式HPなんかには絶対に載っていないような情報になる。
自分で手に取り自分の肌で確かめことに勝るものはないが、インターネットが高度に発達した今、有益な情報はそこかしこから拾ってくることができる。実際に使っている人の使用感を事前にリサーチした上で商品を購入できることは、わたし達にとって非常に大きなアドバンテージといえる。利用しない手はないだろう。
Q.セラミド配合化粧品のおススメは?
以上を踏まえた上で、わたしがおススメする商品を何点か紹介する。
第1位
オールインワンフェイスジェル ZIGEN
圧倒的に第一位はこちらの商品。
男性用のスキンケア化粧品としては異例の売り上げ・知名度・実績を誇る、人気も口コミもNo.1の商品がこちら。
いわゆるオールインワンジェルであり、化粧水→乳液といった段階を踏むは必要ない。
ジェルタイプなので手にとりやすく、それでいてオイルフリーなので手肌に残るべたつきもない。
特に乾燥肌で悩んでいる男性であれば失敗することはまずない。
3種類のセラミドを配合しており、保湿力は文句のつけようがない。
それでいて価格はリーズナブルであり、他製品と比較しても頭ひとつ、ふたつ抜けたコストパフォーマンスを示している。
実際に探してみてもらえればわかると思うが、セラミドを配合したメンズ化粧品は本当に少ない。
あっても、セラミド「に似た」成分配合か、セラミドは配合しているがもっと極端に値段の高い商品ばかり。
セラミド配合の男性用美容液としてはZIGENに勝るものはないというわたしの判断で、当ランキングでセラミド配合化粧品はこの1点のみとした。
乾燥肌の悩み対策としては最も注目し、最も推奨したい一本である。
第2位
BULK HOMME(バルク オム)
次点につけたのはこちらの商品。
メンズコスメ BULK HOMME|ONLINE STORE
様々な雑誌、SNS、ウェブサイトなどで話題になっており、名前くらいは聞いたことがある方も多いだろう。
特に
・インスタ映えする容器の外観
・芸能人を起用したコマーシャル
・「ベタつきやすく乾燥しやすい」肌質に特化
など、20代~30代の若い男性層に強くアプローチする内容で、
では肝心の美容液としての実力はどうか?という点だが、
保湿力としてはZIGENに及ばないものの、化粧品としての完成度は非常に高く、こと安全性においては特に優れている。
と評価した。
バルクオム最大の特徴は、配合成分の安全性と、どのような肌質にも対応できる万能性にある。
全成分表示を確認する限り、香料に代表されるような「わずかでも毒性を有する成分」が一切、配合されていない。
全配合成分において安全性が確立されたものでのみ構成している商品は類を見ない。
また、抗酸化作用をもつリンゴ果実培養エキスを配合しているのも他商品にはないバルクオムの独自的なポイントである。
皮脂は酸化して肌を傷つける作用があるため、特に皮脂分泌量が多いオイリー肌の人には付加価値を与えるだろう。
乾燥肌に加えてオイリー肌から敏感肌まで幅広い肌質に対応できるため、化粧品の安全性を重要視する方にとっては最適な商品といえる。
ただし、難点は値段が高いということ。
お試しコースとして用意されている肌活コースを用いれば初回の値段は気にならないと思うが、維持費を考えるとやはり高い。
経済的に余裕があり、しっかりとしたスキンケアを行いたい方であれば試す価値はあると考える。
メンズコスメ BULK HOMME|ONLINE STORE
第3位
メンズPOLA マージェンス
もう一つ、保湿力+αの付加価値を持つ商品を紹介したい。
女性用の化粧品を販売しているイメージの強いPOLAだが、実は男性用化粧品のラインナップも充実している。その中でも30代からのメンズスキンケア用品として強く支持されているのがマージェンス。乾燥肌対策としてのスキンケア用品としてはもちろんだが、この商品にはニオイのケアという目的もあることが他製品との大きな差別化ポイントだろう。
香りでメンズコスメを選ぶならPOLAのマージェンスに勝るものはない。
ウィークポイントとしては、セラミド非配合という点である。s-ヒアルロン酸をはじめとした有効保湿成分は含まれているが、当サイトで散々アピールしているセラミドに関しては、配合されていない。しかしながら決して保湿力が不足しているというわけではないし、保湿にそこまで多くのことを求めていない方にとっては十分な効果を発揮するだろう。スキンケアに加えてニオイケアも同時にはじめたい方にとっては最適な商品といえる。
まとめ
化粧品選びにおいて重要なのは、
「その化粧品がどんな目的で作られたもので、どのような効果が期待できるのかを事前に調べておくこと」
わたしの悩みは夏も冬も関係なくとにかく乾燥することだったため、とにかく乾燥に特化した商品を探すことに注力した。仮に敏感肌向けの商品を探していたら、違う商品を選んでいただろうし、求めていた結果を得られなかったことだろう。
もうひとつ、化粧品選びにおいて重要なことがある。
「自分の肌を過信しない」
ということ。わたしたちのような成人の肌は、子供と比べると代謝も遅く肌自身の保湿力も弱い。わずかな外的要因でも簡単にダメージを受ける。肌の強さは昔の自分を基準に考えてはいけない。
しっかりとケアしてやらないと今の悩みは自然回復することはあり得ないし、老化は加速度的に進むことになる。
これらの点をふまえた上で、自分の肌に合った成分を選別し、(今まで目を通すこともなかったであろう)全成分表示をしっかりと確認することが重要だろう。キャッチコピーでよくある「洗いあがりもっちり」とか「スーッとする爽快感」とかそういった”広告ワード”に踊らされることなく、確かな目をもって化粧品を選択する努力が必要である。