女性向けの大手脱毛サロンチェーン「銀座カラー」が2023年12月15日付で破産し、全店の営業を停止しました。
東京中心に47店を展開し、今回の被害者は約10万人を超える見込みのようです。相次ぐ脱毛サロンの破産、倒産に伴い、男性向けの脱毛サロンも同様に倒産の可能性はないのでしょうか。
前払いで数万単位で払っていたのに、次の日倒産なんて被害は避けたいですね。
本記事では脱毛サロンの倒産はありえるのか、倒産となった場合、どのような対応をすれば良いのかを解説します。
【結論】男性向けの脱毛サロンも倒産はありえる
男性向け脱毛サロンの倒産はゼロではありません。倒産自体が突然起こることであり、利用ユーザー側では予測不可能といっても過言ではありません。
過去には男性専用の脱毛サロン「ウルフクリニック」が倒産しています。
対策として
- 分割払いであれば、クレジットカードの支払いを拒否(一括払い、2回払いなど払い済みは不可)
- 契約したばかりであれば、クーリングオフ制度を使用
- 対処が分からないのであれば、国民生活センターに相談
- 他店舗の保証を待つ
などが考えられます。
大手脱毛サロン「銀座カラー」が2023年12月15日付で破産
銀座カラーはCMに人気タレントを使ったり、広告を多く出しており20代を中心にユーザーを伸ばしてきた脱毛サロン会社になります。
その銀座カラーですが、2023年12月15日付で破産手続きがされました。事実上の全店舗閉店です。発表当日、翌日ともにホームページがサーバーダウンで見られない状態でした。
去年は「シースリー」が倒産し、去年に引き続き大手脱毛サロンの倒産となります。
破産と倒産の違い
「破産」と「倒産」とふたつの言葉を聞きますが、結果的に同じ意味になります。お店の経営が出来なくなったため、お店を閉めるということには変わりありません。
「倒産」と「破産」は、厳密には異なる意味を持つ言葉です。倒産には法的な定義がありません。業績不振によって債務の返済ができず、事業を継続できない状態を指す言葉として一般的に使われています。一方の破産は清算を目的とした法的整理の手段の一つであるため、破産した企業は倒産していると言えますが、倒産した企業が必ずしも破産しているとは言えないのです。
出典:フリーウェイ経理
破産→倒産と続くので、実質の倒産といっても良いでしょう。
過去に破産、倒産した脱毛サロン一覧
過去にも倒産した脱毛サロンはいくつかあります。一例をご紹介します。
2007年:エピドール
2007年:ビューティーネプチューン
2007年:銀座ビューティークリニカル
2009年:FRIGG
2013年:Pure
2017年:エターナルラビリンス
2022年:脱毛ラボ
2023年:ウルフクリニック(男性脱毛サロン)
2023年:シースリー
「エターナルラビリンス」と「脱毛ラボ」は今回の銀座カラーと同様、大手脱毛サロンでありながら倒産し、大きなニュースになりました。昨今だと「シースリー」の破産が記憶に新しいと思います。
男性の脱毛サロンで言えば「ウルフクリニック」が2023年に倒産しています。
なぜ破産するのか
脱毛サロンの破産理由は以下と考えられています。
- 理由者増加により全国展開
- 脱毛サロンの他会社の出店増加に伴い、競争激化
- 新規顧客の獲得が頭打ちになり、倒産
全国展開したが、その後ライバルサロンが増えて運用費が回収出来なくなった。手広く事業を展開したがゆえに起こる良くある企業の倒産パターンになります。
脱毛サロンの倒産に巻き込まれてしまった時の対処法5選
クレジットカードの請求を止める
脱毛費用をクレジット分割払いにしている場合、クレジットカード会社に連絡を行い支払いを拒否してもらうことが可能です。
クレジットカード払いの方には「支払停止の抗弁権」という権利があります。これは契約上の問題を理由に、クレジットカードからの支払いを拒否できる権利です。
物品の販売者に対して消費者が有している抗弁事由をクレジット会社等の金融機関に対しても主張することができる制度です。
抗弁の事由が解決するまで金融機関への支払いを停止できます。
支払停止の抗弁権の中に「エステ」が対象となっており、運用会社が倒産した場合に適用される場合が多く、支払い拒否が可能です。
しかし、現金払いや一括払いで先に払ってしまった場合は無効です。既に相手側に金額を支払っている状態のため、支払った金額が戻ってくることはありませんので注意が必要です。
契約したばかりならクーリングオフ制度が使える
契約したばかりの脱毛サロンが倒産した場合、一定の条件を満たしていれば「クーリングオフ制度」を利用できます。
- 契約をしてから8日以内
- 1カ月を超える期間の契約
- 契約総額が5万円以上
上記の条件を満たしていればクーリングオフが適用され、支払った費用は全額返金されます。
契約から8日以内という条件が厳しいため、早めの行動が必須になります。
契約の次の日に脱毛サロンが倒産してしまった、というケースに陥った場合には活用しましょう。
国民生活センターに相談する
どう対応すれば良いかわからない場合は、国民生活センターに相談してみましょう。脱毛サロンが倒産した場合、正しい対応は状況によって異なります。
裁判を起こすのが正しい場合もあれば、諦めるしかない場合もあるでしょう。国民生活センターに相談すれば、状況について話すことで具体的なアドバイスが得られます。
突然倒産被害に合ってしまったら、パニックになっちゃいそう・・・
脱毛サロンの倒産というのは予想外の出来事であるため、慌てて正しい対応ができなくなりがちです。一度国民生活センターに相談し、第三者の冷静なアドバイスをもらうのもメンタル的に良いかもしれません。
集団訴訟の準備をする
倒産後、まったく被害者への保証がされない場合、集団訴訟を起こすこともあります。
集団訴訟とは、同じ消費者被害などを受けた人が集まって、相手企業や業者を訴える裁判のこと。集団の規模によっては、費用面や影響力に大きなメリットがあるといえます。ただ、集団訴訟にはデメリットも考えられるので、訴訟を起こす前によく理解しておきましょう。
出典:弁護士保険の教科書
例えば「ウルフクリニック」の倒産の際、アディーレ法律事務所で集団訴訟を起こしています。自分が受けた被害が大きければ集団訴訟に参加することも検討してください。
アディーレは、本日7月19日、東京、大阪、さいたま地方裁判所において、第1陣の集団訴訟提起を行いました。第1陣訴訟では、原告110名から被告医師5名に対し、総額21,952,500円の請求を行います。
出典:プレスリリース
他店舗の保証を待つ
善意により他の脱毛サロンが救済措置を出していることがあります。
例えば「ウルフクリニック」「シースリー」ともに他の脱毛サロン、後任の脱毛サロンが施術費無料~格安で保証してくれました。
店舗が違うので交通費は別途掛かる可能性がありますが、多額の施術費が無駄になるよりはマシだと思います。確実とは言えませんが事例としてあるため、希望は捨ててほしくないという思いからお伝え致します。
【まとめ】倒産が怖い方は都度払いを推奨
脱毛サロンの倒産が相次いでいるため、施術中の方や新しく契約を考えている方は不安に思われるでしょう。
倒産の前触れはお客側では判断することが出来ないことが大半であるため、突然多額の金額が無駄になったと絶望的になると思います。
しかし、今までも脱毛サロンの倒産はあり、手段がないわけではないので被害に合ってしまった場合、冷静な判断をすることが大事になってきます。
もしそういった被害が怖く、被害も最小限で抑えたい場合は「都度払い」とし、施術分を毎回払うスタイルに変更しましょう。
コメント